父、予定の富士山観望旅行を中止

12月になって、父の食欲がめっきり落ちた。
食欲とともに、もともと減退気味だった気力もさらに落ちてしまい、
旅行と富士山がとても好きな父が、
自分から、予定していた富士山観望旅行の中止を言い出した。

言い出したら聞かない父のこと、
撤回するのは難しい。
なにより、都心を抜けて富士山観望地域まで行く体力がない。
父の体力は、健康人のそれを10とすると1程度に落ちているので
ほんのちょっとしたことでカラータイマーが点滅してしまうのだ。

あまつさえ先日の定期診断の際に、
主治医が「ちょっとちょっと」と、付き添いの妹を呼び止めて言った。
「お父さんは末期とお考えください」
と。

そうか、末期か。
病巣が見つかって大手術をしてから2年半。
余命数ヶ月の宣告からよく健闘したものの
そろそろターミナルにさしかかったのか。

結局、デイサービスにも行ってないし、
TVでのラグビー観戦もしないで眠っていることが多くなった。

それでも、年賀状の図柄を決める時には目を輝かせている。
まだまだ、まだまだ。

車椅子

[過去の介護関連]

  病院との2度の往復で休日が消えた
  ベッドの高さを調整したら、父が自分で立った。これは正解っ!
  父、デイサービス初訪問の翌日、入院する
  介護保険認定のための調査員がやってきた
  父の誕生日、富士山の写真を贈った
  介護保険の相談に行ってきた
  父、退院する

病院との2度の往復で休日が消えた

胆のうから管を出して胆汁を身体の外の袋に出している父。
その管の一部がつまって、胆汁が出なくなった。
胆汁が出なくなると、胆のうが肥大して熱が出る。
だもんで、主治医に連絡を取って指示を仰ごうとしたものの、
あいにくと今日は土曜で主治医はいない。

どうして、こういう時に限って休日なんだと
憤慨してみてもしかたがない。
当直の先生の指示で病院に向かう。
これが1回め。

当直の先生は、とりあえずの応急処置を施して、
なんとか胆汁が外に出るようにしてくれた。
ほっとして家路に着く。

だが帰宅後、また管がつまったのか胆汁は出なくなり、
とたんに父は熱を出した。
38度2分。様子をみる。
2時間後、父はもうろうとしてきた。
熱は38度7分。
いかんな。

再度、当直の先生に電話をする。
当直の先生から主治医に連絡をとるので、
病院へくるようにと。
病院へ到着するまでには治療方針を決めておくとのこと。

足元のおぼつかなくなった父をクルマに乗せ、病院に向かう。
夕方の渋滞にハマる。
ようやく病院に到着。
治療方針はできていた。
管自体を取り替えるとのこと。

管の交換はそうとうに痛かったらしく、
父は、疲れきった顔で処置室から出てきた。
歩くのも億劫なようで車椅子に乗っていた。

ともかくこれでひと安心だ。
が、今日の休みにしたいこと、すべきことは何もできなかった、
と気づく。
まぁ、しょうがないね。
父の安らかな寝顔を見ながら焼酎をぐびり、と。

車椅子

[過去の介護関連]

  ベッドの高さを調整したら、父が自分で立った。これは正解っ!
  父、デイサービス初訪問の翌日、入院する
  介護保険認定のための調査員がやってきた
  父の誕生日、富士山の写真を贈った
  介護保険の相談に行ってきた
  父、退院する

ベッドの高さを調整したら、父が自分で立った。これは正解っ!

介護の世界で有名な三好春樹氏の言葉に、
(三好春樹氏は、生活とリハビリ研究所代表/理学療法士)

「リハビリよりまずベッドの足を切れ」

というのがある。

これは、

 病院や施設のベッドは一般的に高すぎて、
 お年寄りが立とうと足を伸ばしても、ベッドから床に足がつかず
 結果的に立つことができない。

 なのに、病院や施設では、リハビリを行って立たせようとするのだが、
 高いベッドで立てるまでのリハビリの効果は期待できないことが多い。

 それよりは、ベッドの高さを調整して(多くは足を切って)、
 お年寄りを楽に立たせよ、

というものだ。

我が家では、逆にベッドの方を高くして、
父は自分でベッドから立てるようになった。

逆といっても、考え方は三好氏のものをまるっきり踏襲する。
我が家のベッドの高さが低すぎたのだ。

三好氏はこう指摘する。

「ベッドは老人が座ったときに足の長さにちゃんと合って、
 足が下ろせて立てること。高さは40センチが理想」

と。

我が家の父のベッドの高さはわずか30センチ、低すぎた。
40センチに近づけるために、ベッドの足の部分にスノコや書籍などを敷いて、
結果的に38センチの高さに調整した。

父を誘導する。
はたして、父はなんの苦もなく立ち上がった。
お~、すごいっ!

「こんなに簡単なことで立てるようになるとはなぁ」

と、父も驚きとともにご満悦だ。

実践に即した三好氏の指摘を、改めて実証したこととなった。
最初からこうしておけばよかったのに、
とは、ま、後の祭り。

車椅子

[過去の介護関連]

  父、デイサービス初訪問の翌日、入院する
  介護保険認定のための調査員がやってきた
  父の誕生日、富士山の写真を贈った
  介護保険の相談に行ってきた
  父、退院する

父、デイサービス初訪問の翌日、入院する

父は、結局、要介護2の認定を受けた。
デイサービス業者を数件見学し、担当のケアマネージャーと一緒に
適当なデイサービスを決め、昨日、初めてそこへ行ってきた。

朝、お迎えのクルマに乗って意気揚々と出かけ、
夕方に満足そうに帰宅したのはいいのだが、
慣れないことに父の身体が驚いたのか、
今日、昼過ぎから39度5分もの熱を出した。

「熱が出たら、いつでも連れてきてください」
と言った主治医は、盆休みで捕まらない。
ま、こ~ゆ~ものだ。

主治医の同僚の当直医と電話で話した結果、
「とりあえず診てみましょう」
ということになり、仕事は休んで父を病院に運ぶ。
熱で頭が朦朧となり、クルマに乗ることもおぼつかない父。

結局、そのまま緊急入院することになった。
主治医の先生は明日出てくるそうなので、
今夜は抗生物質で熱を抑えて様子見をする。

すこし体力が回復したと思った矢先に、
またまたまたの入院だ。
いささかも無理はしていないつもりでも、
もともと体の弱っている父には、キツかったのだろう。
せっかくはじめたデイサービス訪問も、
これでしばらくはおあづけだ。
う~む。

車椅子

[過去の介護関連]

  介護保険認定のための調査員がやってきた
  父の誕生日、富士山の写真を贈った
  介護保険の相談に行ってきた
  父、退院する

介護保険認定のための調査員がやってきた

父の介護保険適用を先日申請したのに基づいて、
市の担当者が2人が、調査のためにやってきた。

俺は、ちょうどその時外出中だったので、
応対した妹に話を聞いた。

担当者は、1人が父に、もう1人が母と妹にアンケートを行い、
約1時間の滞在で帰っていったとのこと。
「要介護2か1のどちらかの認定だろう」
と。

要介護2だと約19万円/月、
要介護1だと約16万円/月
の介護サービスを1割の自己負担で利用できる。

デイサービスで1日1万円くらい、
ホームヘルパーだと1時間で4000円くらい。
どれをどう組み合わせるかは、
ケアマネージャーと相談して決めることになる。

認定は1ケ月ほどでされる予定。
もしそれまでに相応の費用が生じても、
申し込み日時点まで遡って適用可能だとも。

父は、皆と一緒に「ちぃちぃぱっぱ」みたいなことは
まずしないと思ったが
市の担当者と話をした父は、
デイサービスの見学に乗り気だったという。
見学が可能な施設のほとんどを見にいきたいと。
さっそく、来週月曜日から父のデイサービス探訪がはじまる。

まずは
母や俺が不在時のホームヘルプを頼むかなと思っていたのだけど、
これは思わぬ展開をしそうだ。
どうあれ、父が何かにやる気を起こすことには大歓迎だ。

車椅子

[過去の介護関連]

  父の誕生日、富士山の写真を贈った
  介護保険の相談に行ってきた
  父、退院する

父の誕生日、富士山の写真を贈った

今日は、父の誕生日。
2年前に大きな手術をして以来3度の入退院を繰り返したが、
今日、無事、喜寿を迎えた。

富士山フリークの父の喜寿のお祝いにと、
この春、一緒に行った富士山観望旅行の時に撮った画像を
A4サイズでプリントし、ちょっと高級な額に入れ、
ベッドに横になった父の目線の真正面になるように額を架けた。

冬の富士

「毎日、富士山が拝める」

と、父は至極満足そうだ。

プロが撮った富士山では、じつは父は満足しない。
「自分の目で見たもの」じゃないとダメという、
ちょっと偏屈な父なのだ。

入退院を繰り返すたびに生きる意欲を減らしていく父の、
生活する上でのささやかなアクセントになれば、と思う。

車椅子

[過去の介護関連]

  介護保険の相談に行ってきた
  父、退院する

介護保険の相談に行ってきた

今日は仕事は休み。
で、前々から行こう行こうと思っていた、
介護保険についての相談に行ってきた。

行ったのは、市役所の介護支援課。
相談員の女性が、じつにていねいに応対してくれる。

「父はプライドが高く、人の世話を受けようとしないと思うのだが?」
と尋ねると、
「人の世話だけが介護保険の対象ではない。介護にかかわる物品、
 たとえば階段に付ける手すりの費用なども対象になるので、
 そういった説明をすればいい」
とのお答え。
数々の場数をふんできたプロの匂いを感じた。

実際、手すりや取っ手など、すでに色々な物を買っていた。
介護用品の店でいつも思っていたのだが、
どの品物もみな一様に高いわけがわかった思いである。
なぜなら、介護保険認定の申請をして認定を受ければ、
所定の品物なら1割で購入できるのだから。
割引して売る必要はないというわけだ。

もうひとつ驚いたのは、介護保険認定の申請に書面が不要だったこと。
相談員の女性は、父の名前と生年月日をカタカタとキー入力をして
空いている日時をこちらに確かめた上で、
即座に認定のための調査日を決めた。

お~、とてもお役所とは思えないすばやさ!
ペーパーレスとは、なんともかっこいい。

これで、あとは認定のための調査を指定日に受けることとなる。

「父は、無理して『なんでも大丈夫』と言うと思うが?」
と尋ねると、
「本人および家族に状況を聞いて、事実かどうかを確かめる。
 また主治医に意見書を書いてもらう」
と。

任せてもよさそうだ。
いや、任せるのはケア・マネージャーか。
あこぎな業者が出ているからなぁ、最近。
近所の評判を聞いて、業者選択をしよう。

車椅子

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  父、退院する

父、退院する

先週、自宅で高熱を出して急きょ入院した父が
今日、めでたく退院した。

いや、めでたくはない。
厳密には、なにも治療をしていないし、
抜本的にはなにも良くなっていないのだから。
熱を下げるという対症療法だけ。
対症療法で身体に管と袋をつけて、父はイヤそうだ。

もっとも、父のような積極的に治療(手術)を希望しない患者には
病院側ではもはやすることがないのだ。
今回の管の装着についても、父は当初反対した。
古くからの付き合いのある医者にセカンドオピニオンをもらって、
ようやく装着を了解したのだ。
しかし、これで医者が施すことのできる治療はなくなり、
次回からは緩和ケア病棟、いわゆるホスピスに行くことになる。

いまの病院はすべてを告知する。
本人に対して主に。
そうして、本人が選択した道を進んでいく。
誰も嘘を言わないし隠し事もないけど、
これからの事実が重いだけに本人はつらい、やはり。
医者と話した夜の大量の失禁が、
本人の心の重みを表しているようでつらい......。

いい気分(温泉)